薬膳で春の不調をケア!中医学でいう春は?
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中医学の『春』は、立春から立夏までの3ヶ月。
五行でいうと『肝』、外から受ける邪気でいうと『風邪(ふうじゃ)』との関連が深くなる季節。
『風邪』とは、激しく動き、変化をもたらす性質を持っていて、
『百病の長(ひゃくびょうのおさ)』であり、外邪の先導者とも言われているほど
寒さや湿気、乾燥や熱さなどといった他の邪気と引っ付いて身体に不調をもたらしていくと
言われているんです。
・・・なかなかの厄介者!
また、冬の寒い時期から、気温の上下が激しく変化しながら気温が上がり、
植物は芽生えて、動物は活発に動き始める。生長や発育の季節とも言われています。
陰陽で言うと、冬から徐々に陽の気が増えていき、
気の流れでいうと、上へ上へと昇っていくイメージ。
中医学でいうと、人間も万物の中の一つとして考えられていて
自然環境が変われば、人体もあらゆる影響を受けるんですよー。
春に出やすい身体の不調がどんな感じなのか?
2月4日の立春を過ぎた辺りから、少しずつ下記の不調を感じている方もいるかもしれませんね。
【春に出やすい身体の不調】
◆気の流れが上へ向かうため、身体の上部に不調が現れる。
精神不安定、不眠や夢を多く見る、めまいやふらつき、目の充血、頭痛など。
◆『肝』『気』の巡りと関係が深いため、ホルモンバランスも崩れやすく月経不調になったり、身体の張った感じ、イライラしたり落ち込んだりと精神や情緒が乱される安定しにくくなる。
◆冬の繋がりからまだ抵抗力が無い内に体表や毛穴が緩み始めるため、外邪(風邪やウィルスなど)が侵入しやすくなる。
◆五行でいう『肝』の相克関係(抑える関係性)となる『脾胃』の消化機能に影響を受けやすい。
食欲不振や下痢など。
◆気温の変化が大きくなり、代謝が活発になるため、疲れを感じやすくなる。
では、どうしたら春の不調を薬膳で予防できるのか?
まず、春の薬膳で大切なポイントが6つ!
◆中医学の専門用語になりますが
①疏肝(そかん)②平肝(へいかん)③健脾(けんぴ)③補血(ほけつ)④滋陰(じいん)⑤解毒
※この6つの働きを持つ食材がバランスよく合わさっていて、初めて春の薬膳になります。
どれか一つだけ摂っていたらいいっていう訳ではないんですよね~。
さて、①~⑥の意味と食材、どんな方におすすめなのかも一緒に紹介していきます!
①疏肝・・・肝の機能を高めて、滞った肝の気の流れを通じさせる。
三つ葉、納豆、ライチ、ジャスミン、かじきまぐろ、フェンネル、サフランなど。
みかんやレモンといった柑橘類の皮など、香りのモノは滞りを発散。
イライラ、抑うつ感、身体にハリを感じる、月経不調などが出やすい方におすすめ!
②平肝・・・上に上がった気を平穏な状態にする。
クレソン、セリ、セロリ、ピーマン、トマト、アロエ、菊花、穴子、くらげなど。
イライラ、怒りっぽい、目の不調、頭痛、のぼせ、めまい、不眠が出やすい方におすすめ!
③健脾・・・消化の働きを正常に整える。
うるち米、粟、きび、大麦、もち米、さつまいも、じゃがいも、山芋、黒豆、大豆、ひよこ豆、アーモンド、栗、なつめ、えごまのは、枝豆、カリフラワー、小松菜、生姜、ちんげんさい、にんじん、白菜、ねぎ、ブロッコリー、レタス、れんこん、りんご、干し柿、オレンジ、鯛、すずき、いわし、ぶり、鶏の砂肝、卵など。
結構、健脾の食材は多くて、書ききれないほど!
柔らかくする、温めた調理方法なども弱った胃腸に負担がかかりにくい。
④補血・・・血を補う。
黒豆、アーモンド、カシューナッツ、黒ゴマ、なつめ、えごまのは、枝豆、きくらげ、しめじ、にんじん、パセリ、ほうれん草、レタス、プルーン、ライチ、赤貝、あさり、穴子、あわび、アンコウ、イカ、いわし、うなぎ、牡蠣、ぶり、まぐろ、鰹、たこ、鯖、しじみ、鱈、牛肉、レバー、鴨肉、豚肉、鶏卵など。
顔色が悪い、皮膚にツヤがない、頭のふらつき、目がかすみやすい方におすすめ!
植物性の食材より、動物性の食材の方が補血作用が高いと言われていますが、胃腸が弱い方は肉類、脂っぽい食材は摂りすぎないように。
⑤滋陰・・・人体に必要な水液、血液などを補うことで熱を下げたり、潤す。
山芋、水あめ、黒豆、エリンギ、アスパラガス、おくら、かぶ、きぐらげ、にんじん、ほうれんそう、鮎、あわび、イカ、いとより、牡蠣、かに、くらげ、さより、白魚、すっぽん、はまぐり、ぶり、鴨肉、豚肉、鶏卵、チーズ、ヨーグルト、白ワインなど。
のどが渇きやすい、のぼせなどの上部に暑さを感じやすい方におすすめ!
⑥解毒・・・体内に溜まっている老廃物や邪の排出をさせる。
里芋、春雨、はちみつ、小豆、黒豆、豆腐、納豆、緑豆、オリーブ、エリンギ、かぶ、菊花、きゅうり、しそ、生姜、せり、筍、タラの芽、菜の花、ふき、ふきのとう、チシャ、冬瓜、苦瓜、ニラ、にんにく、イチジク、バナナ、しじみ、猪肉、卵白、大豆油、ウーロン茶、プーアール茶、緑茶、コショウ、サフランなど。
冬に溜まった不要な老廃物を排出させる大切な解毒食材。
但し、筍、タラの芽、菜の花、ふき、ふきのとうなどの春の食材は、アクが強く胃腸に負担がかかりやすい。胃腸が弱い方は摂りすぎに注意してくださいね!
気候的には寒さも和らぎ、新しいことにチャレンジしたり、活動的になれる春。
春の薬膳食材を摂りながら身体の内側からケアして、気持ちの良い春を感じてくださいね!